過去の特別展
企画展示『深淵の想像』は「海の中で息もできない人間が、どうして潜りはじめたのか、人間にとって海底世界はどのような意味を持つのだろうか。」という二つの疑問から始まりました。
人類にとって海は家計を支えてくれるありがたい存在でした。しかし常に冷たくて荒い海への挑戦はいつも危険を伴いました。特に「潜り」はひょっとしたら命を落とすかもしれない恐ろしい行動でした。それでも人類は荒い海へ何度も挑戦していたのです。
大昔から今日まで人類は広々とした海底世界に憧れてきました。
古今東西を問わず神話と説話の中には海の神が存在し、人間は海底世界について自由に想像しながら新世界を夢見続けてきたのです。
海の中でもっと長く、もっと深く留まろうとする人類の望みは科学技術の発展と共にますます現実化されています。
最も深い海として知られたマリアナ海溝の最も深いところまで探検できた人類はまた新しい海底世界を夢見ています。
国立海洋博物館では先端技術を活かし人類が夢見る新しい海底世界をバーチャル・リアリティで提示します。
今回の展示を通じ人間が持つ無限な深淵の想像、その人文学的な価値を振り返る機会になることを願います。