開催にあたって

新型コロナウイルス感染症の拡散により、全世界が未曽有の災禍に見舞われています。

各国は感染の恐れを軽減する取組を進めている一方、この難局を乗り越えるため最善を尽くしています。

社会的活動が全般的に委縮している現在において、当館は展示を通じて海洋の歴史と文化をどのように伝えるべきか悩みました。
パンデミック下で、国は危機に直面、共同体を守るためのソーシャルディスタンスを実施するなど奮闘しました。

当館もこのような状況に備えた展示を企画、披露することとなりました。

2022年は、壬辰倭乱（文禄・慶長の役）勃発430周年、朝鮮通信使記録物のユネスコ登録5周年を迎える節目の年です。

重要な意味を持つこの年に、当館は壬辰倭乱と朝鮮通信使に注目するオンラインメディア企画展を開催します。

展示は、「1部　任ずる：海を渡ってきた壬辰倭乱」「2部　守る：仏法で守った僧兵」「3部　通じる：海を渡った朝鮮通信使」「4部　残す：ユネスコ世界の記憶」の4部構成です。

当館のオンラインメディア企画展は人文学をベースにした多重ネットワークノード（Node）展示で、博物館の在り方と役割にあって、単に観覧者を受け入れる方法から一歩進んだ形式となります。

この度、所蔵資料の画像提供に積極的にご協力くださった大阪歴史博物館・高麗美術館・東京国立博物館・山口県山口博物館・山口県文書館（以上日本／五十音順）、国立中央図書館・国史編纂委員会・奎章閣韓国学研究院・梵魚寺聖宝博物館・釜山博物館・蔚山博物館・陸軍博物館・韓国古典翻訳院（以上韓国・カナダ順）の他、ご支援、ご協力くださった国内外すべての機関、関係者の皆様に心から感謝を申し上げます。また、素敵な展示をつくるために尽力した当館職員にも、あらためて感謝を申し上げます。

国立海洋博物館は今年開館10周年を迎え、新たな発展に踏み出すリノベーションを推進しています。

2023年、新しい海洋文化と歴史を展開していく当館の歩みをご期待ください。今後とも、変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。